第1章 出会い
降谷Side
ついに黒の組織の壊滅に向けて、世界の諜報機関・警察機関が合同作戦を実行することになった。
その作戦会議を任された僕は、会議前に黒田理事官に呼び止められる。
黒:「バーボン。今回の作戦で君の相方として、彼女を潜入させたい」
黒田理事官は、そう言いながら僕に一枚の資料を手渡す。
そこには、簡単な経歴と共にライトブルーとヘーゼルナッツのオッドアイが印象的な女性の写真が添えられていた。
名前は「川崎 ミア」
降:「僕と同じですね」
黒:「ああ。非常に優秀な捜査官だ。ただ、プライベートな想いもあって今回の作戦に参加している。任せるなら君が最適だと思ってな」
降:「了解」
黒田理事官は全てを納得した僕の表情を確認し、先に会議室へ入っていった。
もう一度、資料へ目を落とす。
【川崎 ミアプロフィール】
国籍:ドイツ
所属:BND 第8局 公安チーム
家族:父(日本人) 母(ドイツ人)
経歴:20XX年 BND入局し第5局(国際テロ対策)へ配属
20XX年 潜入捜査の実力を認められ第8局へ異動
20XX年 ドイツ国内で活動していた黒の組織メンバーを壊滅
備考:1年前、潜入中に抹殺されたレオナ・ブッフホルツ(コードネーム:リースリング)とは同僚であり、親友。
降:「早くお会いしたいですね」
宝石を閉じ込めたような彼女の瞳は、写真とはいえ僕を魅了するには十分すぎる美しさを放っていたのだった。