第4章 告白
赤:「どうした?」
唐突な私の言葉を赤井さんは、優しく受け止めて問いかける。
『急にごめんなさい…今日、一番伝えたかったことがあって。話してもいいかしら?』
赤:「ああ」
『明日から私、零さんの恋人として組織に潜入するの。組織の追及を逃れるために、プライベートも含めて恋人として振る舞うことになる。つまり、仲間も騙すことになるの。それ自体に不満は無いんだけれど…』
赤:「敵を騙すにはまず味方から。潜入の鉄則だからな」
『そうね。ただ、貴方だけには真実を知っていて欲しいと思っていて…』
このまま赤井さんに「好き」と言ってしまいたい気持ちを隠すように、私は彼から目を逸らす。
赤:「ホォー。それは、好意的に受け取っても?ミア」
私の気持ちを見透かしたような赤井さんの問いかけ。しかも、さり気なくファーストネームで私を呼んでいる。私は、「やはり一筋縄では、いかないな」と思い、もう一度彼の瞳を捉えて答える。
『そう受け取ってもらって、構わないわ』
赤:「そうか。俺は、器用な性分じゃないんでね。ミア」
赤井さんはそう言った後、私の肩をもう一度抱き寄せて来た。