第4章 告白
『赤井さん、一つ訊いても?』
赤:「ああ」
少しの沈黙の後、私は昨日からずっと訊ねたかった疑問を、彼にぶつけてみることにした。
『なぜ、そんなに私に優しいの?私たち、会って2日しか経っていないのに』
赤井さんは私の質問にすぐに答えずに、また、喉の奥でククッと笑ってみせる。
『変な質問をしたかしら?』
私は赤井さんの予想外の反応に驚き、また変なことを言ったのかと不安になる。
赤:「すまない。不安にさせたな」
そう言いながら、赤井さんは私の頭を軽く撫でる。
赤:「昨日、君が俺を追いかけた時のことを覚えているかな?」
『ええ』
赤:「その時に、感じたんだ。君は強そうに見えて、心の奥底では「助けを求めている」とな」
『え?』
私は赤井さんの返事に驚いて、ラドラーが入ったグラスをギュッと握りしめた。あの短時間で、私の心の奥底を言い当てる赤井さんが、凄いと思ったと同時に、そんなにもわかりやすかったのか?と不安にもなったからだ。
赤:「そんなに警戒するな。俺が勝手に思った事だから、聞いてくれるだけで良い」
そう言って赤井さんは、私を落ち着かせるようにもう一度、頭を撫でる。
赤:「俺の腕を掴んだ君の手が、微かに震えているように感じたんだ。それと、君が消え入りそうな声でつぶやく姿を見てな。俺が「守ってやらないと行けない」と思ったまでだ」
赤井さんの真摯な言葉に、私は自分が抱えていた不安が杞憂に終わった事を知る。そして、唐突に
『あなたと一緒だったら良かったのに』
と、彼の瞳をしっかりと捉えながらつぶやいていた。