第4章 告白
赤:「君って、本当に面白いな」
『面白いですか?』
赤:「ああ。世界の諜報機関でも一二を争うハニートラッパーとして有名な川崎ミアが、こんなに純粋だとは思わなかったよ」
『え?純粋ですか?』
赤:「気づいてないのか?」
『そうですね…ボスには、猪突猛進だとよく言われますが、純粋と言われたのは初めてです』
赤:「猪突猛進か…それも、間違っていないな。猪突猛進な人は、自身の考えや気持ちに純粋な人が多いからな」
『へぇ、そうなんですね。なんだか、そう言われると嬉しいです』
赤井さんから思ってもみなかった私の評価を聞けて、自然と私の頬は緩んでしまう。
赤:「これからは、ハンスにも「猪突猛進ではなく、純粋です」と言ってみたらいいんじゃないか?」
私が素直に喜ぶ姿を見て、赤井さんは意外な提案をして来たことに私は驚く。しかも、ボスのことをファーストネームで呼んでいる。
『ボスと知り合いなんですか?』
赤:「ああ。リースリング…レオナが、亡くなった時に一度会ったよ。緊急招集がかかったからな」
『あの時は、各国の諜報員が3人も抹殺されましたからね』
私は、レオナが亡くなった時のことを改めて思い出し、悲しい気持ちを押し戻すように目の前にちょうど置かれたラドラーを飲んだ。
赤:「君は、レオナのパートナーだったのだろ?」
『ええ。最初の配属が同じで、そこで知り合って。私が今のチームに異動してからも、一緒に組織を追い続けて来ました』