第4章 告白
『お疲れさまです!』
私が滞在しているホテルのバーカウンターで、仕事を終えた赤井さんと私は肩を並べながらお酒を飲んでいる。
赤:「ドイツでは、その飲み方が流行っているのか?」
私は昨日と同じく、ビールをレモネードで割ったラドラーを飲んでいた。どうも赤井さんも初めて見る飲み方のようである。
『そうですね…酔わずにたくさんビールを飲めるので、たくさん飲みたいドイツ人らしい飲み方かもしれないです』
当たり前のように飲んでいる飲み物について改めて質問された私は、なんと答えて良いかわからくなりながらも、一生懸命に答えた。
赤:「ビール大国らしいな」
赤井さんは私の様子を見て、喉の奥でククっと笑っている。
『もしかして私、酒豪です!と宣言していますか?』
赤:「さぁな」
赤井さんはもう一度、喉の奥で笑う。
確かに、世界基準で見ると私は酒豪と呼ばれる部類に入ると思う。しかし素敵な男性、ましてや片想いしている男性と初めて飲んでいる時に「酒豪宣言」するとは、思いも寄らなかった。私は、恥ずかしくなってグラスに入ったラドラーを一気に飲み干す。
赤:「おいおい、本当に酒豪だと思うぞ?」
『いいです!事実ですから。マスター、同じのをください』
赤井さんの返事を聞き、私は昨日とは違う理由でハニートラップをかける時のように振る舞うことを諦め、追加をすぐに頼むことにした。