第3章 偽装 ★
その後、彼女の真意を静かに聞いていた僕だったが、内心は穏やかでは無かった。
彼女は「赤井が好き」ということだけでなく、僕に「あいつの落とし方を教えて」と言っている。しかも、今は自身の行動が浅はかだったと思い直して、迷いを見せ始めていた。
彼女は捜査官であることを忘れ、1人の女性として僕を信用し頼ってきている。僕は「なぜ赤井なんだ」という言葉を飲み込み、彼女を安心させるために頬へ手を伸ばした。その手を優しく受け止める彼女。
その姿を僕はいじらしく思う。
降:「全く、貴女って人は…」
「どこまで純粋なんだ」という言葉を隠し、僕は彼女の唇をもう一度奪った。
この機会を活かして、僕へ気持ちを向かせようと思いながら…