第2章 それぞれの思惑
降:「ミアさん。仕事以上のパートナーになっていただけませんか」
『え?』
零さんの唐突な言葉に、私は理解が追いつかないという表情を浮かべた。しかし強い意志をそのブルーアイに宿し、彼は続ける。
降:「もちろん。潜入捜査の一環です」
『もう、ビックリしたじゃないですか。潜入捜査として、ですね』
降:「残念そうですね」
『そんなことないです!これ以上からかわないでください!!』
彼の言葉を勘違いした自分が恥ずかしくなり、私は零さんから目を逸らした。
降:「ミアさん。ごめんなさい。僕が悪かったです。機嫌を直してください」
そう言いながら、彼は私の手を優しく撫でる。私は意を決した。
『零さんには、負けます』
降:「え?」
『貴方のハニートラップ、教えてくれませんか?』
今度は、彼が驚く番だった。