第5章 荼毘 裏夢 幼なじみ
そのおかげと言うべきか、の体は継ぎ接ぎに全身の皮膚の色が違う。
内臓もほとんどが他人の知らない人の内臓。右目も自分の目ではない。
切り貼りした人形のようで、切れば血肉ではなく、綿が溢れそうな体。
荼毘の体が爛れた自分の血が通う体なら。の体は他人の寄せ集めのカラダ。
「うん…燈矢は綺麗だよ」
何時ぞやに、は荼毘に炎耐性の強い皮膚の結合を提案したが、荼毘はそれを断った。この姿の自分が存在することに意味があると言って。
「…。あ、さっきのお礼思いついた」
の様子とは逆にパッと上機嫌になる荼毘。
の首後ろで両手を組む。
「キスさせてくれたら満足する。」
口を近づける荼毘。
の後ろ首で組んだ手が壁となり下がれない
「待っ、燈矢…、んッ、」
の返事など期待せず口付ける。
目をぎゅっと瞑るに対して、鋭い目を開け、の様子を楽しみながら、柔らかい唇の感触を味わい、後ろ手での髪をサラサラと撫でる荼毘。
荼毘の爛れた下唇。頬に当たるステンレスの芯。ツンツンの髪。
何も感じないわけじゃない、胸の鼓動が早くなる。
何気にずっと好きだったとのキス、強引なものだが満足感はある。
離れるその時まで皮膚の感触を感じ取るようにゆっくり離す
「…、満足した?」
「1回でする訳ねーだろ」
再度口付ける。今度はリップ音が鳴る。
1回してしまった手前、ガードが薄く荼毘のキスを深く受け入れる。
「舌。」
一瞬唇が離れると、出せと言わんばかりの一言。
ここで出せば、この後の行為を受け入れることになる。
色々な葛藤が出る。まず、荼毘との関係はなんだ。
姉弟?幼なじみ?気の合う仲間?たまに来る友人?
グルグルの思考する
「……、好きだ」
「ぁ、……//、……っ、」
その一言に口が緩む。後は荼毘のしたいように舌を絡めたキスをする。
口説き文句の好きよりも、同じ単語のその言葉を何処かずっと待っていたことに気づく。
荼毘を受け入れ唾液の糸が惹かれ切れる。
の首元にキスをし、マークをつけようとする