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荼毘 裏夢 短編

第5章 荼毘 裏夢 幼なじみ


「そういえば、さっきのお礼貰ってないよなァ!」

の両手首を大きな片手で掴み頭上で押さえつけ、腹を掴んでデスクの奥に追いやる。衣類をまとっていない腹に指が沈む。完全に座り足がプラプラと浮いた状態。腹を捕まれ回転をかけられないは、ただその力の差に驚く。

「いつもいつもの力に合わせるの大変だったんだよなぁ、本気で今の俺と対峙できると思ってんの?」

中学から一緒の燈矢、生物学的に今の私が燈矢に敵わないことは理解していた。だから燈矢の力を利用して流す術を覚えたつもりだったけど、いつも遊ばれてたのは私なのか__そう学習する。

「何をしてもらおうかなァ」

「そんなに溜まってるなら、そういうお店行きなよ笑。あぁいう所で少しは生物的に経験して出直してきなよ」

の煽り。
正直は荼毘の事は嫌いではない。むしろ好きだ。
だから本気で嫌悪感を抱いてはいない。ただそういう目で荼毘を見るのが恥ずかしくて年上冷淡ぶる。実際は処女だ。

「こんな継ぎ接ぎだらけの体、気持ち悪がられて出禁だっつーの。」

その言葉にの表情が強ばる


「気持ち悪くないよ」


「いやいや、どう見ても普通じゃねーだろ笑、全身火傷だらけで、膿んだ所からは今でも血が溢れる。体温調節もできねぇ。」

「…その体、処置したのは私だよ。ちぎれる皮膚は繋げれないからホチキスになったけど、燈矢の体は私から見れば普通だよ。ただ汗腺と涙腺が焼けてるだけ。それだけ。それに____」

が自身の体に目線を落とす。



は氏子の娘だが、戸籍上存在しない。
幼少期、雪山で捨てられたを脳無が見つけ素体として回収された
深部性凍傷で右腕以外のほとんどの体が黒く硬くなり、乾燥壊死状態だった。


個性を調べた後は、被検体予定のだったが、
目を覚まし氏子に個性を説明すると、今後の改造実験に使えると、
壊死した部分を切断し、自身の個性で、他の人間の組織と縫合するやり方を教えてもらった。助手でもあり養子。

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