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荼毘 裏夢 短編

第1章 荼毘 裏夢


「もー、動いちゃダメっ。ほらこれ、鎮痛剤。ヒビがいってるんだから、明日まで激痛はあるよ、飲んで」

医療箱らしき箱から2個繋がった新品の錠剤を1個に割り、机の上に置かれたペットボトルをパキッと音を立て渡す

「そんな殺気立たないでよ、死んだと思った同級生が生きてて、必死におぶって部屋まで運んで、医療用ホチキスで全身ツギハギ訳ありの身体見たら、さすがに匿ってあげるよ」

「本物のお人好しのようだな」
鎮痛剤を受取り飲む

「そんな足じゃ重さをかけたら、すぐに壊れちゃうよ」
「うるせぇよ……」

「完全に骨が癒合するまでとは言わないから、最低でも1ヶ月は家にいなよ、包帯も替えてあげれるし容態も見てあげれるよ。鎮痛剤も出せるし」

「俺は誰の世話にもならねぇ、」
「既に私のお世話受けてて何を言うか、私が医大生じゃなかったら、徒手整復もできずにそのまま内出血と腫れで大変なことになってたよ」

ぐうの音もでない
を信用した訳じゃないが、衣食住+治療も受けれて秘密厳守ときた。事実を知るを殺すのは足が治ってからでもいいと思う荼毘。

「それじゃ、私授業あるから。16時前には戻るね」
ある程度の飲食物が入った袋をベットの脇の机に置く

「出ていくとか考えないでね、燈矢くんの携帯まる2日連絡来なかったんだから頼れる人もいないんでしょ?」

その言葉にハッとなり携帯を目線で探す荼毘
がベッド上の充電されている携帯を指さす
充電100%その画面のみで不在連絡等の通知はない。
出来すぎたサポートにドヤ顔の

「じゃ、いってきます。あ、その袋に下着も入ってるから。そこは自分で着替えてね」
そう言い捨て、扉を閉め鍵をかける音が鳴る。

の行為に感謝できるが、いまいち信用はできていない荼毘。普通なら今すぐにも殺して離れるが動けず無力な自分に呆れる。

枕元に倒れ足の痛みが和らぐまで天井を見つめる。

「「燈矢くん」なんて……いつぶりだよ」

静かに目を閉じ眠る。



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