第1章 荼毘 裏夢
____今こいつ俺の名前を言った?……、
の言葉に驚き目を見開く。
「私、昔クラス一緒だったんだけど…覚えてるわけないか笑」
が少し悲しそうに笑う。
クラス?小学?中学?俺が失踪する10年前なら髪色も、こんな容姿になる前の話だ。荼毘で通しているのに、何故俺だとわかった?どこからか情報が回った?__そう考えながら手に力を入れる荼毘
殺すつもりでを見る
は荼毘の目を見つめる。
「私の個性ね、「視聴記憶」で1度見たり、聞いたものは一生忘れないんだ。その目。すごく綺麗だなあって覚えてるんだ」
人違いだったらごめんね、__そう言ってクスッと笑う。
「目なんざ、同じ色のヤツぐらい居るだろ…」
「…そうだね。声変わりもしてるし、でもこれが私の個性なんだ」
は疑っていない。確実に荼毘の正体を理解している。
瞬間、何か起こされる前に消そうと、の首に手を被せ動脈を締める
「…今は荼毘で通してる」
「ケホッ、っ…安心、してほしいなぁ、…燈矢くん丸、2日寝てたんだよ、…その間に燈矢く、んの家に連絡も通報もして…ないんだ、から……、」
静かに微かな呼吸をしながら喋りづらそうに喋る。
「なんで助けた、何が目的だ」
「……、元同級生がボロボロになってるの、見捨てたら夢見が悪いから、…かな」
表情は穏やかだが、酸素が上手く回らない感覚に冷や汗が垂れる
おそらく嘘はついてない。
事実、足は完璧な処置。
衣服も着替えてあり、身体が綺麗に拭かれている。覚えている限り返り血で汚れた服は洗われカーテンレールに引っ掛けられたハンガーにかかっている。
の首から手を離す
「ッ、ちょっとは、信じてくれたかな…?」
ケホケホと小さく咳き込む
ベッドから上がろうと腕の力で足を引きずり、起き上がる
が、自分の足の激痛に目を顰める。
そんな荼毘の両肩を掴んで止める