第1章 荼毘 裏夢
荼毘の表情は見えないが、声色から意地悪に笑っているのが想像出来るの耳を甘噛みする荼毘。
舌を這わせ、耳の下から上まで線を描くように舐める
初めての感覚にビクつく。
「待っ、て。燈矢くん…」
無気力に落としていた両手を荼毘の胸元に当て押し返すように力を入れる。
「本気で抵抗しろよ、」
片手での両手首を掴んで、壁におさえつける。
の股にかけるように荼毘が片足を挟み身動きを取りずらくする。
「の個性、便利だよなぁ。この状況も俺の声も一生忘れずに覚え続けるんだもんな」
の首に肉が挟まれる痛みが走る
「ッ!」
痛みはどんどん強くなる、このまま皮膚を血肉を噛み切るのではと思わせる程に。
「燈矢くん、痛い、、痛いよ」
痛覚が刺激される度に、体が神経に反応して痙攣する。呼吸が合わなくなる。手足で抵抗ができる訳もなく、脱力したようにそのまま後ろの壁にもたれかかる
荼毘の歯が離れるが、噛み位置を確認すると
また同じ場所を噛む。
たまに舌が這う感覚がする、何かを飲む混む音と首元からの鉄の匂いで血が出ていることが察せれる。
出ていくのに、もう会いに来ないのをいい事に最悪の記憶を私に植え付けていく。なんて酷い性格なんだ。
そう思う。だが、これも彼なりの愛情なのだろうと、目を閉じ下唇を噛み、一時の痛覚に耐える
首の中に入り込んでいる歯の感覚が離れる
それと同時に噛まれた部分が熱を帯び、血管から液が盛れる感覚がする。
の首元からの離れた荼毘がの顔を覗き込む
無表情に近い目からは痛覚で涙がガラスのようにキラキラと落ちている。
ゆっくりと目を開ける。
先程からの記憶が頭を巡り続け
口付けからの感触や声が今でもハッキリと感じる。無抵抗に落ち着いた雰囲気だが、顔色だけは欲情した雌のように赤らめている
「やっぱ、お前良い女だよ。俺だけのモノで終わらせたくなる。」
荼毘の口角が上がる。
拘束してた手も、後頭部に回していた手も離し、の首を両手で包む
溢れんばかりの独占欲と愛情で、今にもを絞め殺してしまいそうになる。