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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第66章 七支柱春药 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿



「そんな事、ないで、す」

「そんなに否定するんなら、証明してみろよ。おい、こっち見ろ」

「…!!」

普段はちゃめっ気の色を見せる天元の双眸は、臙脂色(えんじいろ)の奥底に強い欲を滲ませていた。

上官として色々な隊士に慕われている音柱は、誰に対しても態度を変える事なく、豪快で明るく、常に周囲を観察する冷静な一面もある。

だが、今の彼は普段の様子からは随分と違うようだ。七瀬を部下ではなく ——

「五百年生きていやがるだけある…お前をずっと見てたら、腹の底から自分のもんにしてえなって…わりぃ。これ以上押さえらんねえ」

「え、あの…血鬼術…効いて、ない、って…」

言ったじゃないですか ——。七瀬の言葉ごと飲み込むような性急な口付けが彼女と天元の間に生まれた。

二度三度と軽く唇が吸い付く音が部屋に響くと、天元の舌が七瀬の唇全体を辿るように蠢いていく。

顔をそらそうにも、音柱の手は彼女の後頭部をしっかりと掴んでおり、それは出来そうにない。互いの息遣いが室内を満たす。

『信じ、られ、ない…こんな…優しい…口付け、するなんて』

豪快な天元、という印象しかない七瀬は、彼がくれるこの愛撫に大層困惑していた。有無を言わせず、吸いつかれた彼女だが、思いのほか天元の行動に心地よさを感じているようである。

『うわー、予想以上だわ。こいつのここ。口吸いぐらいで下半身が反応するなんざ、ありえねぇ』

天元は忍びの出身かつ、娶った妻は三人である。
その為異性との関わりは多く、経験も知恵も人並み以上なのだ。

「やべえな、お前。こんなんじゃ全然足んねぇわ。早くぶちこみてえんだけど」

「は、はい?? ぶ、ぶち、こ、…えっ? えっ?」

口付けが一旦終わったかと思いきや、予想外の発言が天元から出た七瀬は頭と心が完全に置いてけぼりにされている。


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