恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第66章 七支柱春药 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿
【宇髄天元様
こんにちは、時透です。突然申し訳ありません。宇髄さんに文を書く事になるなんて何か変な感じです。筆無精な僕が今回こうして文をしたためているのは、理由があります。
先日とても不思議な体験をしました。今でも信じられないんですが、僕はどうやら初体験と言う物をしたようなのです。
記憶が所々不鮮明なのですが、確かに終えたと言う感覚が自分の中にあるのです。
上手く言葉に出来なくて申し訳ありません。
こんな不可思議な話を他の柱の人に言えるわけもなく、そして度々頭をよぎっていたのですが、ふと宇髄さんなら理解してくれるかもしれないと思い立ち、文を書きました】
「って文が三日前届いたんだわ。時透の初体験の相手って言うの、お前で間違いねぇ?」
「…は、はい。間違い…あり、ません」
「お前から文が届いた時も何か面白い事になってんなーって思ってたんだが、追いかけるように時透からも文が届いた時は頃合いが良すぎて流石に驚いたわ」
「何だか申し訳ないです…」
七瀬は無一郎との体験を一週間かけて、心の奥底に押さえ込んだ。
しかし、就寝時や鬼殺以外の僅かな時間の合間に度々思い出しては「 本当にあれで良かったのだろうか?」と自問自答していた。
「誰かに聞いて貰わないと、心がやられちゃうなってずっと感じてて。友人や他の女性隊士には絶対話せないし…」
「で、最終的にたどり着いたのが俺だったってわけか」
「そうです。音柱なら何回も任務をご一緒してますし、お嫁さん達とも顔見知りですし、何よりこんな摩訶不思議な話でも邪険にせず聞いてくれそうだなって…」
朝までかかった任務で、一刻も早く自分の借りている長屋に帰りたかった。しかし道中宇髄宅の近くをたまたま通りがかり、意を決して音柱邸の門を叩いたのだ。