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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第66章 七支柱春药 / 🌫️・💎・🌊・🐍・🍃・🔥・📿



「ん…あれ、僕何で寝てたんだろ」

七瀬が霞柱邸を静かに出て三十分程した頃合いで、無一郎は目を開いた。

今夜は確か一般隊士と二人での合同任務だったはずだ。

それも何故自分と彼女だけだったのか?と思わずにはいられない程あっけなく討伐したのだが ——

『鬼を倒してからの記憶が何だか切り取られてるみたいだ。どうやって帰って来たんだっけ? それよりも…』

一人で性欲を処理するの行為とはどこか違う、説明は上手く出来ないが、寝る前までの自分は誰かとそういう事になったのではないか。

『何だろう…やっぱり誰かと一緒にいた感じするんだよね。あったかくて柔らかくて…心も体も満たされるって言うか』

倒した鬼の血鬼術が遅れて発動でもしたのだろうか。

いや、そんな気味が悪い物ではない。肝心な部分が全くわからない無一郎だが、それだけは何故だか確信をしていた。

『初めての経験をよくわからない内にした、なんて凄く奇妙だけど…とても気持ち、良かったな』

髪の事を褒められた気がする。自分と同じくらいの背丈の女子に。

触れた体のあたたかさ、滑らかさ、それから肌の白さを朧げながらも思い浮かべている霞柱は、薄い幕がかかっている記憶を何とか引っ張り出そうとするのだが。

『ダメだ、やっぱりはっきり思い出せない。これってそれ以上はやめておけって事なのかな』

無一郎の少し不思議な初体験。
それは彼の心と体の中に溶け込むように、一夜限りの出来事として深く沈んでいったのである。


『元忍びの宇髄さんだったら、色々摩訶不思議な事を経験してるかもしれない。普段は軽い調子で話をする人だけど、優秀な柱だ』


こんな不思議な出来事も、きっとバカにする事なく聞いてくれるだろう。他人にあまり関わろうとしない霞柱だが、珍しく文を書いてみようと思い立ち、文机に向かった。


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