第66章 クリスマス🎄お題夢 / コミュニティ内で募集
七瀬もそこは理解してくれているので、食事中に俺が静かになっても咎められる事はない。
パンを半分程食した後、少し体があたたまった。ここで口をようやく開く。
「食材が普段あまり食べない物だからだろうか、特に美味いと感じる」
「義勇さんもそう感じました? 私もやっぱりローストチキンは違うなあって思いながら食べていました」
にっこりと笑みを向けながら、コーヒーを飲む七瀬が愛おしい。
「メリークリスマス…それから少し早いが、来年もよろしく」
「あ、は、はい。こちらこそよろしく…お願いします」
はにかんだ笑顔の彼女に満足した俺は、再び食事を始めた。またしばらく無言になる空間。
「義勇さん」
「どうした?」
コーヒーのおかわりをしようと椅子から立ちあがろうとした際、声がかかった。
「クリスマスケーキをこの後、また食べたいです」
「俺は構わないが」
昨日の夜に二人で半分食べたのだが、チョコレートケーキだからか、余程気に入ったらしい。
確かにあれは美味かった。
「来年はケーキも手作りしてみます? チーズケーキだったら簡単に出来ますよ」
「そうだな」
空になった自分と彼女のマグカップを持ち、俺はキッチンに向かった。
——— メリークリスマス! 良い一日を。
〜終わり〜