第66章 クリスマス🎄お題夢 / コミュニティ内で募集
——— 四時間後の午後五時、レンジからは実に香ばしい匂いがキッチン中に漂っている。
昼から始めた下拵えは練習の甲斐もあり、無難に終わった。
ガーリックライスも肉からあふれさせる事なく、丁度よく詰めた。これで後は中がしっかりと焼けていれば。
レシピサイトで見た作り方は生焼けになってしまったと意見もあったので、母や千寿郎の助言を貰い、一度肉を常温に戻して調整しながら焼いてみてはどうかと言う事であった。
今は一度オーブンで焼いた後、肉を巻いていたアルミホイルを取って更に加熱している所だ。
設定した追加時間は二十分。
チーン、と小気味良い音が一度鳴る。
よし、終了だ。焼き具合はどうだ? 鍋つかみをはめ、慎重に肉が乗ったトレイをレンジから出す。
外はこんがりと狐色で見た目は良い! しかし問題はこの中身だ。
俺は包丁でほんの少し肉を切り、中が上手く焼けているか確認する。
すると ———
「わあー!! 凄い、ちゃんと中も焼けてますよ! めっちゃ美味しそう!」
待ちきれなかったのか、俺の横に立った彼女がとびきりの笑顔を見せてくれる。
これで後は味だけだ!
包丁を再び持ち直し、今度は肉の表面に切り込みを入れた。
〜杏寿郎と過ごすクリスマス〜
終わり