第19章 令和のヒノカミ鳴り / 🎴
ちゅっ……とリップ音を一回鳴らすと、炭治郎は私の唇から自分の唇を離す。
「どうしたの?」
ふふっとする私を今度はギュッと後ろから抱きしめてくれる彼。
「善逸から聞いたんだろ?七瀬から凄く甘い匂いがしたから、キスしたくなった」
そう言って私の右頬に小さなキスが当たる。
「相変わらず、凄いよね。その嗅覚…」
「まあな。俺、七瀬のこの甘い匂いが大好き。ずっとこうしていたくなる」
更に彼の腕が私を抱きしめる。
「七瀬とまた繋がりたい……大正ってそう言う意味じゃ自由だったなあ……」
「……そうだね」
今世の私達は学生と言う事もあって、まだキス以上はしていない。
それプラス実家同士だとなかなか難しいんだよね……。
「高校卒業したら、私1人暮らししよっかなあ……」
「え……それって……」
「炭治郎はお店の手伝いもあるだろうから、実家出るの難しいでしょ?だったら……ね?まだ後2年以上あるけど」
「俺は長男だから我慢は得意だ!!その日まで頑張る!!」
くるっと私の体を自分の方に向けて、彼は両手を私の肩に置く。