第66章 クリスマス🎄お題夢 / コミュニティ内で募集
12月24日―
日が沈めば街は華やかに彩られ、恋人達の甘い空気が漂うクリスマス・イブ。
まだ明るいその街中を両手に荷物を抱えながら五条伽那夛は軽やかに歩いていた。
彼女の足は迷うことなく古いアパートの1室へ向かう。
目的の部屋に着き、チャイムを鳴らすとドアの向こうからパタパタと駆ける足音が聞こえ、勢いよくドアが開いた。
「伽那夛ちゃん、いらっしゃい!」
「津美紀、久しぶりね、元気だった?」
「うん!」
満面の笑顔で迎えてくれた津美紀は大きく頷き、伽那夛の手を引いて家の中に。
伽那夛が早速持ってきた荷物を開けると、中から出てきたのは食材、そして色とりどりのフルーツでデコレーションされたホールケーキだ。
「すっごーい!こんなケーキ初めて!」
目をキラキラさせてはしゃぐ津美紀。
早く冷蔵庫に入れないとと忠告する恵もソワソワとして喜びを隠せていない。
これほど喜んでくれるのなら用意した甲斐があったと伽那夛も頬が緩んだ。
なぜ伽那夛がこれを用意したかというと、1ヶ月程前に遡る―……
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