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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



「甘露寺、また文を出す。息災でな」
「うん…! 私もまた伊黒さんに文を出すわ!」

風柱邸の門扉をくぐった三人は、挨拶を交わすとそれぞれの屋敷へと帰路につく。
恋柱邸に帰宅する道中、蜜璃は七瀬をたくさん労い、自分も強くならなきゃね、と新たに決意をした。






実弥と手合わせをした二週間後 —— 七瀬は蛇柱邸の門扉の前に立っている。朝方まで任務がかかり、疲労困憊の状態だったが、小芭内にどうしても伝えたい事がある。

『手紙で伝える事も考えたけど、やっぱり直接言いたい…。でも今日会えなかったら、この思いは自分の胸の内にだけに留めよう!』

ふう、と一つ長く深い息をついた彼女は声をかけながら、門扉を柔らかく叩いた。

「おはようございます! 朝早くから申し訳ありません…沢渡です! 蛇柱はご在宅ですか?」

「はーい、今向かいます…!」

若い男が返答すると、次いでパタパタと早足でこちらに向かって来る様子が屋敷内から聞こえて来る。

この声は恐らくこの蛇柱邸に常駐している隠だろう。
心臓の鼓動が右肩上がりで上昇する中、七瀬の目の前にある門扉が、ギイ…とゆっくり音を立てながら開かれていった。

「おはようございます、隊士の方ですね。今日はどうされましたか?」

「おはようございます。階級戊(つちのえ)の沢渡七瀬です。蛇柱はご在宅でしょうか?」












『残念だったけど、きっとこれで良いんだ。勢いだけで来ちゃったけど、冷静になってみると、蛇柱も反応に困るだろうしね』

隠と話をした五分後、七瀬は足取りゆっくりに進んでいた。小芭内は不在だった為、自分で自分を納得させようとしている。

『あ〜、でも会いたかったなあ。蛇柱に』




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