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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍




カンカン、カンカン、カン —— !

「沢渡! 受け流すだけじゃなくて、攻めて来いよォ!!」
「……! ん、はぁ……!!!」
「七瀬ちゃん!! 頑張ってー!! 」

勝負が始まった五分後、恋の継子は風柱の怒涛の打ち込みをひたすらに払っており、実弥と七瀬の速い足さばきで、地面の砂がふわっと舞い上がる。


『いいか、沢渡。貴様の剣筋はわるくはない。刀に正しく自分の力を乗せる事が出来れば、極端に強い力を込めなくても相手の剣を捕える事も可能だ。素振りの練習をする際、体の重心がずれぬよう、頭を極力揺らさずやってみろ。攻撃をする際に一番重要なのは、刀と……心の軸をぶらさない事だ』

—— 迷うなよ。


「はぁぁぁ!! 水の呼吸・肆ノ型」
「—— 打ち潮!!」

「やぁっと呼吸かよ…! 風の呼吸 —— 」
「肆ノ型・昇上砂塵嵐」

ザアッと七瀬の木刀から繰り出されるのは、相手に絡みつくかのごとく。勢いのある二つのうねる水流である。

対し実弥は片膝をついて、地面から砂嵐を思わせる斬撃を放った。連続の攻撃である打ち潮は、舞い上がる砂塵と混ざり合い、そして取り込まれていってしまう。

『やっばりこれだけじゃあ風柱には通用しないか…』

「捌ノ型・滝壺!!」

低い姿勢を取っている実弥に向け、七瀬が放った技は、己がやりやすいと感じた型である。

跳躍しながら攻めの姿勢のままの恋の継子は、実弥が放った肆ノ型を上から斬るように木刀を当てた。
瞬間、ミシッと得物がきしむ音が七瀬の耳に届く。


『まずい、早く回避しなきゃ……!』

「おい、反応がおせェぞ」

「がっ……! はっ!」

実弥の右脚が七瀬の腹部を蹴り上げた。衝撃で木刀を落としそうになる。

『まだだ! まだ終われない…!!』

後方に飛ばされながらも、くるっと後ろに体を回す七瀬は…


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