• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



やや体を縮こまらせ、申し訳なさそうな蜜璃だが、それでも顔には笑顔がのっている。

七瀬も「こちらこそ至らない所が多い継子で申し訳ない」と謝れば、即座に蜜璃は首を横に振った。


「そんな事ないわ〜!こないだも言ったでしょう? 七瀬ちゃんは必ず強くなるんだから」

「そう言ってもらえるのはありがたいですが…本当に私が??」

「そうよ〜!」

眉間に皺を寄せ、首を右に傾げた七瀬は蜜璃が何故そんな事を言ってくれるのかが疑問であった。

「だって伊黒さんは十枚に渡って手紙をしたためているし、不死川さんも七瀬ちゃんとの勝負を引き受けたでしょう? 多忙な二人があなたに時間を割いている。それは期待の表れだと思うの」

そうなのだろうか。
しかし、自分の力を一番身近で見ている蜜璃が言うのだ。七瀬は心の奥底からやる気がせり上がって来るように感じた。

「師範……私、頑張ります!!」

彼女は、両の拳を胸の前で強く握り、決意をあらわにした。
うんうんと頷きながら、蜜璃は継子をぎゅうと一回抱きしめる。

そうして七瀬の頭を一度撫でると、稽古をしましょうと誘った。

二つ返事で答えた七瀬は、それから一時間程蜜璃と鍛錬をしたのち、共に汗をかいた体を綺麗にする為に湯浴みをしたのである。






小芭内の手紙を読み込んだ七瀬は、自主稽古をするようになった。以前から任務前にやっていたのだが、回数を増やしたのだ。

蜜璃の継子となって単独任務の回数も少しずつ増え、やや遠方の地へも二人一組で向かう任務も増加した。

一通り取得している水の呼吸の中でも、これは特に出しやすいなと感じる型も二つ程見つけていた。

肆ノ型の【打ち潮】と、捌ノ型の【滝壺】だ。

打ち潮は後輩の炭治郎が任務時によく放っていた技であり、滝壺は受け流す技が多い水の呼吸の中では、攻撃時に使用する事が多い技である。


「恋の呼吸・壱ノ型」
『師範の得意技だ!』


/ 931ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp