恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第19章 令和のヒノカミ鳴り / 🎴
「了解!」
彼が呼吸を整え直す。
「ヒノカミ神楽 —— 炎舞!」
高い位置から刀を大きく振り下ろし、その後素早く振り上げる連撃を炭治郎が出した。
2つの連撃が青波留の頸を捉える ——
ザシュ…………ッと彼女の頸が綺麗に胴体から切断された。
ゴロゴロ…と転がった後は、みるみる内に灰になり、風に吹かれて形を無くして行く。
もっと………みんなと……蹴鞠……楽しみたかった………あたしはいつも……1人で……寂しか……
“た”
その言葉を最後に青波留の姿は、最初から存在していなかったように全てを消していったのだった。
「……一緒に蹴れる仲間がいるって本当にありがたいよね」
「そうだな」
私と炭治郎は血がついた日輪刀を一回振って、チンと静かに納刀する。
「よし、帰るか」
「うん……」
彼の掌が私の掌に絡む。
記憶が戻って最初の任務は、ほんの少しだけ切ない気持ちと共に終わりを告げ、私達はスポーツ公園を後にした。
「へえ。令和は蹴鞠の鬼……」
次の日の昼食時。私と炭治郎の前の席にいる善逸がお弁当を食べながらそう呟いた。
「そっかあ。善逸はまだ炭治郎に出会ってなかったから朱紗丸は知らないんだね」