• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



更に —— それから一週間後。
蛇柱・伊黒小芭内より蜜璃に返信の文が送られて来た。
蜜璃は七瀬を縁側へ誘い、共に小芭内からの文に目を通している。

【甘露寺蜜璃 様

いつも文をありがとう。
君の継子への指導だが、承知した。煉獄と甘露寺の依頼とあらば引き受けないわけにはいかないだろう。任務は変わらず多忙ではあるが、合間や非番の時にそちらに伺おう。

君が怪我する事なく、任務に励めるよう常に願っている。


伊黒小芭内】




「え……蛇柱、指導してくれるんですか……」

「ふふ、良かったわね! 七瀬ちゃん。伊黒さんはとっても技術が高いし、煉獄さんや私とはまた違う剣士だから学ぶ事は多いと思うわよ〜」

二人の間には大皿に山盛りに積まれた桜餅が置かれており、大半を食しているのは、もちろん蜜璃だ。

七瀬は小芭内が引き受けてくれるとは思わなかった為、桜餅を一口食べたきり、そこから手の動きが止まっている。

「伊黒さんはあまり喋らないし、隊士に対してちょっと厳しい部分もあるけど……とっても優しい人なのよ」

「そう、なんですね……」


【蛇柱の名の通り、しつこくてネチネチとした物言いがきつい】

【首にいつも白蛇を巻いてて不気味だし、怖い】

【左右の目の色が違うから、 異人さんみたいで近寄りがたいです…】


これらは七瀬が先輩・同期・後輩から直接耳にした小芭内の人物評である。
彼女自身は任務を共にした事はなく、一度町ですれ違っただけだ。

その日任務に行く途中で、七瀬は隊服を着ており、小芭内も隊服を着ていた。

曲がりなりにも上官である。自分の顔を知られていないとは言え、挨拶をしないと言うのは流石に礼儀知らずだ。

彼女は小さな声で「お疲れ様です、蛇柱」と小芭内に挨拶をした。

良い評判を聞いていなかった為、無視をされるだろう。
そんな風に考えていた所 —— 「ああ」と一言だけだが、返答があったのだ。

/ 938ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp