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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



—— それから一時間が経過した。

「えん、ばし……ら、私……もうついて、いけな……」
「どうした!? まだ終いではないぞ!!」

七瀬は荒い息と共に、地面にどさりと体を大の字に投げ出した。杏寿郎の指導はわかりやすく、剣技も蜜璃の言った通りキレが素晴らしく、充実した時間だった。

ただし、これは最初の十分のみで、その後は気分が乗った彼の激しい打撃をひたすら受け、あっという間に彼女の体力はゼロに近くなったのだ。

「沢渡少女! ほら、立て!! 次は俺にひたすら打ち込んでこい!!」

「いや……私は、もう限界、で…す。ごかん、べんを……」
「来い!!!」

この後、七瀬は意識がなくなるまで杏寿郎と稽古をしたのである。






「七瀬ちゃん、七瀬ちゃん。煉獄さんからお手紙来て、とっても楽しかったから是非またやろうですって! 良かったわね〜」

「あはは……私にも熱量が高い文が届きましたよ」

杏寿郎が恋柱邸を訪問した三日後、彼から二人に文が届いた。

蜜璃と七瀬は朝稽古後の湯浴みを済ませ、縁側で茶を飲みながら炎柱からの手紙に目を通している。

「あ、でもね。ちょっと気になる事も書いてあって……」
「気になる事……師範、それってどんな事なんですか?」
「うん、煉獄さんが言うにはね」



【甘露寺蜜璃 様

先日は大変に充実した時間だった!! ありがとう!
沢渡少女はなかなか見込みがあるな。流石は君の継子だ。 彼女と剣を交えてみて感じた事があるので、文に記しておく!】





「い、伊黒さん?? って蛇柱ですか?」

「そうよー伊黒さん! 蛇の呼吸は七瀬ちゃんが使う水の呼吸から派生した呼吸でしょう? 恋の呼吸が炎の呼吸と共通しているように、水の呼吸と蛇の呼吸もきっと似ている部分があるだろうから…伊黒さんに指導を頼んでみたらどうかって事よ〜!」


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