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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



—— それから一週間経った。

七瀬と蜜璃が朝の稽古を終わらせ、柔軟をやっている所へ門扉から「おはよう! 甘露寺はいるか?!」と、爽やかな朝に丁度良い —— と言うにはやや不釣り合いな男の声が屋敷の空気を震わせた。

「わっ……朝から凄い声量ですね…! 炎柱……!」
「ふふ、煉獄さんは今日も元気そうね」

二人は杏寿郎を出迎えるべく、柔軟を終わらせ、門扉まで向かって行った。

どうやら早朝までかかった任務の後、自宅に帰らずそのまま恋柱邸までやって来たようだ。

七瀬が湯浴みと朝食の準備が出来ている旨を伝え、杏寿郎も良ければどうかと問いかける。

すると大きな双眸をカッと見開いた杏寿郎は、礼と共に「是非とも頼みたい!」と来た時と変わらぬ声量で、返答した。

『炎柱……任務の時はあんなに凛々しくてカッコ良いのに、普段は天然で親しみやすいんだよね。上官なのに全然気取ってないし』

彼女の目の前を歩くのは、明るい髪色の男女 —— 杏寿郎と蜜璃だ。

元師弟の二人は本当に仲が良く、ずっと笑顔で会話を交わしており、七瀬の心はあっという間に微笑ましい気持ちでいっぱいになっていく。








「それでは始めよう! 沢渡少女、よろしくな! む?甘露寺もやるのか!」

「はい……! 久しぶりにお願いします、師範!」

「懐かしいな!」

杏寿郎と向かい合うように座った七瀬と蜜璃。

二人は座卓の上に開いた帳面を置き、右手には筆を持っている。
手習いと同じように杏寿郎が呼吸について説明していき、それを聞きながら女子二人は筆を動かし始めた。


「甘露寺が使用する恋の呼吸は、俺が使用する炎の呼吸から派生した物だ。故に二つの呼吸には共通している事も多くてな。壱ノ型は全ての呼吸にとって基本の型と言うのは、二人も把握しているだろう?」

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