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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



「炭治郎は良いなあ、二つの呼吸が使えて羨ましいよ」

「いや、俺は水の呼吸が極めれなかったから…。それにヒノカミ神楽を使えるようになったのはたまたまなんだ」

ある日の共同任務後、七瀬は一期下である後輩隊士の炭治郎と帰路を歩いていた。
時刻は午後十一時を回った所で、人の往来は少ない時間帯だ。

うどん・そばと書かれている暖簾が視界に入った彼女は後輩に「食べていく?」と声をかける。

「うん、俺も腹が減ったから行こう」

深夜でも営業している屋台に二人は足を進めていく。



「いただきます」

横並びに座った七瀬と炭治郎は、肉うどんを注文した。
春になったばかりの夜間はまだ冷える事も多い。だからあたたかい食事は体も心もぽかぼかとした気持ちで、包んでくれる。

「おいしい」「あったまるね」と声をかけあいながら、二人はあっという間にうどんを食し、会計をすませるとまた家路へと続く道を歩いていく。


「実はね、来週から恋柱の継子になるの」
「へえ、凄いじゃないか!! 柱に稽古つけて貰えるなんて、羨ましいなあ」


七瀬と蜜璃は合同任務や見回りで一緒になる事も多く、任務終わりに食事に行く機会もよくあった為、朗らかな彼女と親しくなるのにそう時間はかからなかった。

蜜璃と接する中で、七瀬は彼女が使用する恋の呼吸に興味を持った。

今現在使用している水の呼吸は一通り出来るが、これが得意だと言う技が自分の中でなかなか確立しない。

何とか現状を変えれないか。
そんな思いを持ち始めた所へ、後輩の炭治郎が那田蜘蛛山の任務中に【ヒノカミ神楽】なる呼吸を使用するようになったと耳にした。

炎柱の杏寿郎が使用する【炎の呼吸】と同じ、太陽を思わせる呼吸。水の呼吸とは対になる呼吸。

恋の呼吸はその炎の呼吸から派生した呼吸と知り、直感で「蜜璃の元で学んでみたい」と思ったのだ。


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