• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



「あのね、七瀬ちゃん。ちょっと話したい事があるんだけど……」

「師範? 改めてどうされたんですか?」

「うん……」

二人は再び座卓に向き合い、今度は塩大福を食しながら話をしている。ズズッと湯呑みの中に入っているほうじ茶を啜った蜜璃は、ふうと深く長い息をはいた。

いつも明るく朗らかな蜜璃が、やや緊張した面持ちで自分に何かを言い出そうとしている。
七瀬も塩大福を一つ食した後、喉の渇きを潤す為にズズッとほうじ茶を啜った。

「あなたとの生活はとっても楽しいし、稽古も凄く充実した時間を過ごせるし、私は七瀬ちゃんを継子にして良かったと心から思っているの」

「ありがとうございます…私も師範と過ごす日々は楽しいし、継子になって良かったなあっていつも思ってますよ」


一見、相思相愛の師範と継子。
しかし、蜜璃はここ最近の座学を振り返りながらある思いを抱いていた。

「私、説明がとっても下手でしょう? だからいつも座学の時に申し訳ない気持ちでいっぱいになってね。七瀬ちゃんは稽古も鬼殺もとても頑張ってるから、もっともっと強くなってほしいって思うの」

「師範……」


七瀬は”そんな事ないです”とは言えなかった。

蜜璃との生活は先程本人にも伝えたように、とても楽しい。柱である彼女を相手に普段から打ち合う事が出来るのも貴重な時間だ。

しかし、本来の目的は蜜璃が使用する呼吸を理解し、出来れば使用出来るようになりたいと言う目的を持っていた為、彼女の継子に志願した。

七瀬が使用する呼吸は、鬼殺隊内で最も多くの隊士が会得している水の呼吸だ。

蜜璃が使用する恋の呼吸は炎の呼吸の派生で、いわば七瀬が使用する呼吸とは対極の位置にある。

何故正反対とも言える呼吸を使用したいと考えたか。
それは同じ水の呼吸の使用者、竈門炭治郎の影響だからだ。

/ 938ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp