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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第65章 恋の継子、二つの蛇に睨まれる / 🐍



空には雲が一つも浮かんでいない、良く晴れた一日の昼下がり。

涼やかで心地の良い風が広い屋敷の庭を通り抜けていく。
ここは恋柱の甘露寺蜜璃並びに、先月彼女の継子になったばかりの沢渡七瀬が住んでいる。

二人は庭が見える居間で座卓を挟んで向き合っており、先程から座学に取り組んでいた。


「師範、申し訳ありません! その説明だとよくわからないです……」

「ええっ? そうなの?? じゃあもう一度言うわね。 恋の呼吸は煉獄さんが使う炎の呼吸から派生した物なの。心臓がぎゅーんと掴まれて、体もぐわーっと力がみなぎるとね……」


『ぎゅーん、とぐわーっ……かあ。さっきも言ってたっけ』


身振り手振りで懸命に恋の呼吸について教えている蜜璃だが、説明が大の苦手の為、なかなか七瀬に理解して貰えない。
とりあえず帳面に書いておこう。七瀬は筆を動かし始める。

【恋の呼吸は炎柱が使用する炎の呼吸より派生した物。使用する際に心臓がぎゅーんと……】

うーんと首を右に傾げ、力説する蜜璃の話を懸命に聞きながら、七瀬は文字をしたためていった。







「じゃあ今日の座学はこれで終わりね! 私お腹すいちゃったから甘味を食べたいんだけど、七瀬ちゃんはどうする?」

二人はつい一時間前に共に昼食を食べたばかりだ。
恋柱邸専属隠と七瀬、それから蜜璃。三人で作った食事の量は実に六人分。

しかし、健啖家の蜜璃は既に空腹になってしまったらしい。
苦笑いになる七瀬だが、甘味好きの彼女は食べると返答した。

「私も頂きたいです。桜餅ですよね?」
「ふふ、今日は七瀬ちゃんの好きな塩大福よ〜」

「ありがとうございます! 私も用意お手伝いします」
「そう? じゃあ一緒に甘味休憩しようね」

はい! とニコニコした笑顔で七瀬は師範と共に厨(くりや)へと向かっていく。


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