恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️
温度差がある私と彼の体温は、律動を繰り返していくと段々近くなって来たように思う。
臀部に当たる無一郎くんの体も、じわっと汗をかいているからだ。
「んっ、もう少しで……イきそう…」
「あ、ん!! 速くしちゃ……ダメ…」
両足は彼の肩にそれぞれ固定され、ズン! ズン! と突き上げられる刺激が子宮まで届く。
瞳の奥に火花が散り、思考も何だか蕩けてしまい……。
「七瀬……! 出る……」
「う、ん……わかっ……あっ…! やっ」
声が途切れた瞬間 —— 薄膜越しでも無一郎くんの熱さがじわりじわりと伝わって来た。荒い息づかいと一緒に「七瀬、大好き」と絞り出すような声色で言われ、普段の何倍もの多幸感を全身で味わう。
「わた、しも……むいち、ろうくんが……大好き、だよ」
「……そ、う……」
はあはあ、と二人の息は相変わらず切れたままだ。
でも体同士は、ぴったりと隙間を埋めるように密着している。
私の両足を自分の肩からゆっくりとおろした無一郎くんは、ふうと一つ息をついたのち、ズルッと自分の男根を名残惜しそうに引き抜いた。
「……こんなにたくさん出たの、初めてかも」
「そうだっけ……? あ、ちょっと見せないでよ〜」
くるくるとコンドームの入り口を手早くまいて縛った彼。それを見せつけるように私の視界内にかざすのだ。
「ダメ、しっかり見て。俺が君に欲情した証拠だから」
「よくじょう、って言葉にすると凄く恥ずかしいね……」
「本当の事でしょ」
無一郎くんはもう一度まじまじと自分の白い欲を観察した後、静かにゴミ箱へとそれを入れた。
「ねえ、俺まだ足りないんだけど。 見てよ、また立ってる」
「ほんと、だね……」
一度しなりと頭を垂れた彼の雄は、五分とまたずにその先端を天井へと向けてしまった。
「普段しない体勢って……やっぱりいいね」
「……」
「あれ? 気持ち良かったの、俺だけ??」