第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️

「そうなの？ 私も無一郎くんはしっかりしてるから、ちゃんとしなきゃなあってよく思ってる」

「七瀬、結構抜けてるもんね」

「それ、ちょっと酷いよ。傷つくー」

「……ごめん。でもだから俺がしっかりしなきゃって思うのもある」


はいるよ ——- の言葉と一緒に、下腹部に刺激が加わる。いつの間に避妊具をダッシュボードまで持って来ていたのか。
私と話している間に一人でコンドームをつけた無一郎くんが、ズズッと侵入して来た。

先端が膣壁の間をゆっくりと進み、硬くしっかりとした男根は私の子宮へと真っ直ぐ向かっている。

「全部はいった」
「うん……ここにある」

先端部が届いている箇所をゆっくりと撫でると、無一郎くんの口元に笑顔が宿った。

「嬉しそう」
「それはそうだよ。君の中にはいってるんだから」

トン……と子宮に繋がる道を突かれると、膣壁がキュッと彼を締め付ける。互いに小さく漏れる甘い声を聞きながら、私は自然と腰を振っていた。

「んっ、あたってる……とこ、いい、よ」
「七瀬は…ふぅ、一番奥よりも…手前が感じやすい、もんね」

自覚はないけど……何回も体を繋げている無一郎くんが言うと、何だか納得してしまうから不思議だ。


「ねえ、ちょっと……位置をかえ、るね」
「んうっ、位置ってどういう体せ…い？」

彼の両手が私の臀部ガシッと掴むと、グッとその体勢のまま引き寄せられてしまった。

私のお尻が、無一郎くんの股部にピタッと密着した瞬間 —— あまり感じた事がない快感が体を駆け巡る。

「どう？ たまにはこう言うやり方もよくない？」
「あ、んぅ、気持ち…いいっ、あ、ン……」

ズン、ズン、とゆっくりした動きだ。でも普段あまりあたらない所を集中的に刺激されると、少しずつ体の温度が上昇していく。

「んっ、はぁ……体、熱い……」
「ごめん、俺は…ふぅ…まだそんなに、熱く…ない」