第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️

「そうでしょ？ それにこうしたら…」
「わっ、もう」

互いに晒した素肌が密着した。無一郎くんが私を抱きしめてくれたからだ。

覆い被さる彼の背中に、両腕をゆっくり回すとより二人の体が近づく。心臓の音……聴こえてる距離だよね。

ドク、ドク、と鼓動が脈打ち始め瞬間、彼がキスをくれた。

唇同士がちうちうと音を鳴らしながら、何度も角度を変えて交わされる愛撫は、それだけでとても気持ち良い。

「んっ、七瀬、また硬くなって、る」
「あっ、や……すぐそこさ…わる」

無一郎くんの両手は私の胸元に移動して、丸く鎮座している乳房と先端の尖りを愛撫し始めた。

やわやわと揉み込まれる感覚と、きゅっきゅっと刺激される感覚が気持ちよくて、ほう……と息をつく。

「凄く気持ち良さそう。もっと七瀬を心地よくしてあげる」

「う、ん…あ…ダメだ、よ」
「どうして？ ここ、んっ…はぁ、甘い、よ」

チロ、とあたたかな舌が乳輪をゆっくりと行き来すると、下腹部が静かに反応する。小さな穴からトロッと滲み出て来るのは、無一郎くんを求める甘い欲だ。

「んっ、んっ、はぁ…やン」
「反応してくれる君、本当に可愛い……こっちも触るね」

「え、それ…」
「好きでしょ、俺の髪。こう言う時長くて良かったって…思うんだよね」

サワサワ、と左側の突起が彼の毛先で愛撫された。指や舌で触れられる感覚とはまた違って……

「むいち、ろ、く……気持ち、い…い」
「わかってる。たくさん触れて…あげる」

トロリ、トロリ、と変わらず私の秘所は彼の愛撫に反応してしまう。心地よくて、気持ちよくて、ずっとこうしてて欲しい。


「えっ、もう…？
「うん、ここは一旦終わり」

「いったん…」
「ここはね」

ちう、ちう、ちうと左頬を撫でられながらのキスが降って来る。
唇に触れるだけの軽い物。でも私はこれが凄く好きなんだ。