第18章 忘却の夢炎(むえん) / 🔥
ん………私はゆっくりと目を開けた。
「あれ、ここってどこ?」
浴衣を着ていた自分に驚いた。私、これ買ったんだっけ?
杏の柄が散りばめられている、中紅花(なかくれない)と呼ばれる色。かわいいんだけど………なんか私、服の趣味変わったのかな?
ここ半年の記憶がはっきりしない部分がある。
右手の先に何か当たったので、見てみるとヨーヨーが2つ転がっていた。
一つは常盤色と呼ばれるもので、もう一つは橙色のもの。
あれ?爪紅なんていつから塗るようになったんだろう。橙色は好きだけど、何だか狐につままれたような…
そんな気がする。
あ、明日は朝から善逸と師範の所に行こうって約束してたんだった!
巾着と、そして何だか持って帰らないといけないなあと言う気持ちになったので、2つのヨーヨーも手に持って家路に急いだ。