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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️



「あれ、七瀬どうしたの? 動きが止まってない?」
「……そんな事ないよ」

出来る限り自然にタータンチェックのクロスを下ろし、キャリーバッグが置いてある場所へと足を向けた。

「少しメイク直して良い? 衣装選びの前に整えておきたいんだ」

「別に構わないけど……それと喉乾かない? ここにドリップコーヒーと紅茶のティーバッグがあるよ」

「うん、じゃあ飲んでからやろうかな」









「わあ……凄い!! ドレスがたくさんある〜!! どれにしよう……」

「本当予想以上の数だね。僕もドレス選び付いて行って良い?」

ティーブレイクをした後、私と無一郎くんは衣装選びへとやって来た。両側面の壁を埋めるようにして陳列されているのは、見るのも楽しい華やかな衣装の数々だ。

膨大な数だけど、暖色系・寒色系に区分けされており、長いドレスや短いドレス等デザインの種類もきちんと整理されている。

「ドレス一着一着に似合う体型だったり、素材が書いてあるカードが付いてるのも良いね。これなら選びやすいよ」

「へえ、足元が出るデザインだって。七瀬これにしたら?」

「え…足が出るのは恥ずかしいなあ」

どれ? ———私は手に持っていたAラインとカードに書いてあるドレスを棚にかけ、後ろを振り向いてみると…。

「どう? フィッシュテールドレスって言うんだって。足が出るって言っても色々長さもあるみたいだよ。これなんか君に丁度良いんじゃない?」

彼が手に持っていたのは、水色で光沢感がある生地のドレスだった。膝は隠れる長さだが、フロント部分がバックより短い為、ふくらはぎがかろうじて見える。

「……うん、凄く素敵。無一郎くんの言う通り、これなら足が出るデザインでも気にならないかな」

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