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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️



施設名は “ breathing(=英語で呼吸の意)”
チェコのプラハ城を参考にしていると言う、ゴシック様式の建物だ。


「あの尖った屋根…って言えば良いのかな? 凄く素敵!!」
「芸術的な事は僕もあまりわからないけど…異国の雰囲気はよく出てるね」

外観でこれなら、中はどうなのだろう。やっぱり雰囲気が出る作りをしてるのかな。

じいっと建物を凝視していると、隣から「寒いから早く中へ入ろう」と声がかかった。
あ、いけない。いけない。ついつい見入っちゃった。

建物の写真、それから二人での自撮り写真を写した後、私と彼はドレスハウスへと歩を進めた。









「中もすごーい!! 本格的だね」
「世界史で中世の事を習った時、凄い時代があったんだなってぐらいしか感じなかったけど……」

受付を済ませた私と無一郎くんは、スタッフさんに案内されたゲストルームへとやって来た。

ここには天蓋付きの大きなベッド、アンティークを思わせる家具がバランス良く設置されている。ソファーに、四人がけのテーブル、ドレッサー等だ。

キャリーバッグをベッド近くに置いた私は、部屋の中をもっと見たくなり、まずドレッサーに向かう。
テーブル部分にかかっていたクロスが気になったからだ。一体何があの下にあるのか。

何の気なしにそこをめくってみると ——

「あっ……」
「七瀬?どうしたの?」

「うん、見て…」
「へえ、流石ラブホテルを改装した施設だけあるね」

小さな声を出した私の元に、無一郎くんが近づいて来た。見るように促した私の後ろから覗き込むように確認する彼だ。

そこにはアメニティ類に溶け込むように、避妊具も置いてあった。剥き出しではなく、中身が見えないようポーチに入っている。

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