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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️



冷蔵庫に二人で向かい、もう一つのチョコを取り出す。昨日私が見た時と同じで、ピンクの包み紙に包まれたチョコだ。

ソファに座った私と炭治郎は身を乗り出して、それをゆっくりと開ける。

「わあ……」
「へえ、嬉しいな」

掌サイズの大きさのハートチョコには、【ハッピーバレンタイン】の文字と【よいバレンタインを】の文字が記してあった。

ふふっと互いに笑顔になった私達は昨日と同様、端と端を咥えて双方向から食していきながら、チョコ味の口付けを交わした。







三十分後、チェックアウトを済ませた私達。
出入り口に向かおうと足を進めた矢先に見覚えのある人が視界に入って来た。

「時透くん?? どうしてここに……」

「え? 炭治郎?」

声の主は私の友人の彼氏 —— 無一郎くんだった。



「一日違いで利用する事になるなんて…信じられない。凄い偶然だね」

「それは俺もだよ」

男子二人が談笑する中、友人と私はふふっと笑い合いながらその様子を見ていた。

「昨日メール見た時はびっくりしたよ〜」
「それは私も同じだよ」

炭治郎と無一郎くんが、たった今話した会話とほぼ同じ事を話した私達。

チェックインを済ませた無一郎くんカップルと私と炭治郎は、その後電車で二時間かけ、明治期の貴重な洋風建築を残す館へと観光に行った。

「それじゃあ、また。ディナーの後にある物が二つ出て来るんだけど、凄く美味かったよ」

「へえ、二つも出て来るの? 何だろう」

無一郎くんと友達を乗せた電車を見送った私と炭治郎は、そこから東京へ向かう新幹線に乗車だ。


「今度はハロウィンの時期に申し込んでみよっか」

「それ、良いな! 面白そうだ」

ドレスハウスに行く前、あんなに恥ずかしがっていた炭治郎はもういない。今回はドレスにしたけど、あそこでハロウィンっぽい仮装はハマるだろう。

今年の秋を早くも楽しみに思いつつ、彼と二人互いのスマホのアルバムを見ながら、帰宅した。



〜ハッピーバレンタイン! 良いバレンタインを〜




〜炭治郎と過ごすバレンタイン〜
終わり

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