恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️
そんな事を言われると、もうぐうの音も出ない。
ふう、と小さく息をついた私の唇を彼はちうと柔らかく吸った。
「一番キスしたいのはここだけどな」
「んぅ」
ニカっと笑いながらもう一度唇に愛撫を降らす彼だ。
炭治郎とのキスはとても心地よくて、いつも心がふわふわと浮いてしまう。
「頼みがあるんだけど」
「な、何?」
「俺の服、脱がせてくれ」
「え……」
スイッチが入った炭治郎は、瞳に静かな欲望を浮かべていた。
★
「はい、これで最後だよ」
「ありがと。首元がようやくスッキリした」
ブラウスとジャケットを脱いだ炭治郎は一度伸びをすると、私の頬にキスをくれた。ふとしたタイミングでよく口付けてくる彼だけど、情事中は特に回数が多くなるのだ。
「下は良いの?」
「ああ、今はな」
今は……?って事は……
互いに上半身は裸。そんな状態で向き合っている私達だ。全部脱ぐより恥ずかしい気がする。
剥き出しになっている胸を両腕で隠そうとすると、パッと手首を掴まれ、鎖骨をツツ……と舐められた。
「んっ、くすぐったいよ」
「七瀬のここも俺は凄く好き」
強めに数秒吸われた —— と思った時にはもう花が咲いていた。足首と同じように左右一つずつ開いたそれは、小さいけど炭治郎の思いがぎゅっと詰まっている。
「後はどこにつけようかなあ」
鎖骨、足首とキスマークを指で辿られた後、彼は「決めた」と言い切り ———
「あっ、そんな所……」
「七瀬から見えない場所で、秘密っぽいって考えたらここが一番だ」
くるっと体が反転し、スカートとショーツを下げられた。
臀部に彼の唇が触れると、強めに二回程肌を吸われてしまう。