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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️



二人で冷蔵庫へ行き、取り出してみると…。


「あっ、ハート型! ハッピーバレンタインって刻んである」

「二人で食べるには少し小さいけど、今の俺達お腹パンパンだから丁度良いな」

「ふふ、そうだね」


チョコの大きさは片手に収まる程。
シンプルな茶色一色だけど、艶がとても良くて一目でこれは美味だなとわかる品物だ。

「ちょっと勿体無いけど…」

パキッとチョコを真ん中で割った私は、半分を炭治郎に渡したけど、これだとハートが割れてしまったようにも感じられる。
私のシュンとした気持ちが出たのを感じ取った彼は、持っていたチョコを一口かじった。


「二人で交互に食べないか?」

「うん、そうしよう!」

半分に割られたチョコは、二口ずつかじった時点で無くなってしまった。

「ちょっとビターだけど、凄くコクがあって美味しかった〜。もう半分も食べようか……って炭治郎? どうしたの?」

「こっちはこうして食べてみないか?」

「えっ……」

彼はもう半分のチョコを口に咥えていた。
ドキンと心臓が高鳴る中、私は良いよと返事をする。
隣に座っている炭治郎を見ると、どうやら彼も恥ずかしいようだ。ほんのりと頬がピンクに色づいている。

かわいさと愛しさを感じた私は、勇気を出してチョコを咥えた。
炭治郎との距離は五センチもない。キスをする一歩手前だ。パキンパキンとチョコを食べて行く。

二口目が口に入った所で、彼が私の唇に口付けた。
ビター味で苦いチョコレートなのに、恋人との口付けはほんのりと甘い。


唾液とチョコが混ざり合う中、ちうと吸いあげられ、一度彼の顔が離れた。口元にはチョコが無造作に付着していている。

「付いてるよ」と言う間もなく、自分の唇周りをあたたかい舌がなぞった。

ツ、ツと時間をかけて味わうような動きに反応した私の下腹部から、じわっと蜜が流れるのがわかる。




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