恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️
食事の前に一度トイレに行き、腰元を支えているリボンの紐を少し緩めておいて正解だった。
ミニコースとは言え、なかなか本格的なメニューだ。
「おなかいっぱい…!! でもデザートは食べるよ〜」
「俺も食べる……!!」
ソフトドリンクのオレンジジュースとアップルジュースを、最後まで飲んだ私と炭治郎は立ち上がって一緒に冷蔵庫へ向かった。
「ティラミス美味しいー!! コーヒースポンジがあまり苦くないから、これなら炭治郎も食べやすいと思う」
「じゃあ少し貰って良いか? マカロンの中のクリームが甘くて本当に美味しいから、七瀬にも食べてもらいたい」
テーブルに置いてある取り皿を互いに手にし、ティラミスとマカロンを取り分ける。
「あっ、本当だ。苦くない……」
「クリーム確かに甘いけど、しつこくなくてちょうど良いね」
デザートまでしっかりと食べた私達は、温かい飲み物が飲みたいねと言う事になったので、先程も飲んだコーヒーと紅茶の用意を始めた。
食器類は部屋の前に出しておけば、スタッフさんが回収してくれるらしい。これを炭治郎にやって貰い、私はコーヒーと紅茶を淹れる。
「料理もデザートも凄く美味しかったし、体も紅茶飲んだからあったまったよ」
「俺も七瀬と同じ。全部美味かったし、コーヒー飲んだら体もあたたかくなった」
ソファーに並んで座り、まったりとした時間を過ごしていると、うとうとと微睡(まどろみ)始めた時に私はある事を思い出した。
「そうだ、チョコまだ食べてなかったよね。私少し食べようと思うんだけど炭治郎はどうする?」
「俺はもうお腹パンパン。でもどんな物か気になるから、七瀬の食べる分を少しわけて貰えるか?」
「うん、じゃあ二人で一個食べてみよっか」