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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第63章 Valentine masquerade / 🎴・🌫️



「わかった、行くよ」
「無理してない…? 大丈夫?」

「ああ! バレンタインが近いから、宿泊者には特別なチョコがプレゼントされるって話も聞いたんだ。七瀬と一緒に食べるのも良いかなあって」

「へえ、それ私も気になる!……って言っても当選しなきゃ意味ないよね。一人一口応募だから、お互い申し込もう」


こうして、私達二人はドレスハウスの宿泊プランにそれぞれ応募をした。








「本当炭治郎って持ってるよね〜! 引きが強い!」
「はは、そうかな?」


二月上旬、最初の週末。私と炭治郎はドレスハウスにやって来た。
施設名は “ breathing(=英語で呼吸の意)”
チェコのプラハ城を参考にしていると言う、ゴシック様式の建物だ。


「あの尖った屋根…って言えば良いのかな? 凄く素敵だね」
「そうだな、日本じゃないみたいだ」

異国情緒がふんだんに感じられる外観に、私はすっかり魅了されてしまった。中も早く見に行ってみようと炭治郎に声をかけ、出入り口に向かったのだった。










「外観も圧倒されたけど、中も圧巻だね。本当に中世の世界に入りこんだみたいだよ」

「七瀬、これって何だろう……わっ…」

ゲストルームには天蓋付きの大きなベッド、アンティークを思わせる家具がバランス良く設置されていた。
ソファーに、四人がけのテーブル、ドレッサー等だ。

ドレッサーのテーブル部分にかかっていたクロスを捲った炭治郎。何かを見つけたらしいので、確認するべく彼の近くに歩み寄った。


「どうしたの? あっ、そんな物まで?…」

そこにはアメニティ類に溶け込むように、避妊具も置いてあった。剥き出しではなく、中身が見えないようポーチに入れてある。

宿泊プランは十八歳以上じゃないと申し込めないもんね。私達みたいにカップルで来る人もいるだろうし。

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