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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥



「Shall we dance?」
「えっ、」

七瀬の肩に回されていた手が外され、再び彼女の右手をそっと握った杏寿郎はそんな問いかけをした。

「答えを聞かせて貰いたいのだが」
「は、はい……えーっと…… I would like…じゃなくて、I would love to. (喜んで)」


合ってますか? —— 不安げに問いかける七瀬の右手に小さな口付けを落とした杏寿郎は、ゆっくりと立ち上がると部屋の中央にエスコートした。
流れる音楽はもちろんワルツだ。








「ありがとうございました。社交ダンス、楽しいですね」
「そうか、それは母も喜ぶだろうな」

スマホから流れていた曲が終わり、二人の表情は晴れやかだった。


「まだ言ってなかったな……」
「杏寿郎さん? 何をですか?」


七瀬の左頬が杏寿郎の大きな掌で包まれ、撫でられる。
いつも彼が恋人である彼女にする仕草なのだが、これをされる度に七瀬の心拍数は右肩上がりになってしまうのだ。


「とても綺麗だ」
「杏寿郎さんも凄くかっこいいですよ」

「それは先程も聞いたな」
「何回でも伝えたいんです」

つつ……とリップで彩られた七瀬の唇がなぞられると、そこに杏寿郎の唇が柔らかく重なった。ちうと一度吸い付く音が響くと、啄み合う二人の唇から軽やかな音が複数回漏れていく。

二人にとってキスは互いの好きだと言う思いを確認し合う大切な愛撫だ。音がフッと止むと七瀬にこんな問いかけが届いた。


「Trick or trick?」
「え、ちょっと困ります」
「何故だ?」


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