恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥
「君のドレスはAラインと言うのか」
「はい、プリンセスラインって言う姫感満載のデザインと迷ったんですが、私はこっちの方が好みで」
杏寿郎の衣装を二人で決め、彼も着替えた。
イエローのラインが袖や裾に入った黒のフロックコート、下は同系色のトラウザーズ(長ズボン)と言った装いである。
紫のストライプ模様が入っているからだろうか、杏寿郎の脚をスタイリッシュに魅せるデザインだ。
「この片目に付ける仮面と、三又のローソクがハロウィンっぽいですよね」
どうですか? ——— 仮面を左目に付けながら杏寿郎に問いかける七瀬は、先程の瑠火同様実に楽しそうな様子だ。
「今すぐマスカレードに参加出来るな!」
「ふふ、杏寿郎さんそれは無理です。私はダンスが出来ないですもん…あ、瑠火さんから着替えましたかって連絡来ました。行きましょうか」
「うむ!」
仮面を杏寿郎に渡すと、二人は槇寿郎と瑠火が待つ撮影スポットに向かった。
「杏寿郎さんのワンショットが素敵すぎて、私三十枚写しちゃいました」
「七瀬、俺は君のワンショットを四十枚撮ったぞ!」
「え? そんなに?? 恥ずかしいんですけど……」
撮影会は各々のワンショットはもちろん、四人でのショット、煉獄家三人でのショット、槇寿郎と杏寿郎のツーショット、そして七瀬と瑠火のツーショットなど色々なパターンを写した為、一時間弱の時間を要した。
用意されたゲストルームに帰って来た七瀬と杏寿郎。
ふかふかしたソファに腰掛け、七瀬はスマホのアルバムフォルダを確認している所だ。
そこへ ——
「七瀬」
「あ、スマホ返して下さいよ…」
「ダメだ。部屋に戻ってずっとこればかり見ているだろう」
「……だって杏寿郎さんが……」