• テキストサイズ

恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥



「瑠火さん、それは私も同じです。ドレス姿が眩しくてくらくらしそうですもん。槇寿郎さんもきっと気に入ってくださるはず!」

胸元までの髪を両サイドから編み込んだ編み下ろしヘアにまとめた七瀬は、生地に光沢感がある臙脂(えんじ)色のドレス姿だ。

ビスチェタイプで両肩は出ているが、二の腕まで長さがあるグローブをはめている。その為、華やかな装いの中にも落ち着きがある。


「早速槇寿郎さんと杏寿郎を呼びましょう」
「え、ええ。わかり、ました」


楽しくて仕方がないと言った瑠火は嬉々とした表情で、槇寿郎に連絡をした。メッセージを送るとすぐに返信があり、続いて二人の元へ目立つ髪色をした男二人がやや慌てた様子でやって来た。


「あら、お二人まだ着替えていないんですか? 槇寿郎さん、服を選びに行きましょう」

「あ、ああ。そうだな」


真っ赤になった槇寿郎の腕に自分の手を絡ませた瑠火は「また写真撮影で」と言い残し、そそくさと姿を消してしまった。

その場に残された七瀬と杏寿郎は、しばらく放心していたが、目が合うと笑顔を交わして距離を近づける。


「どうですか……? 瑠火さんがチョイスして下さったドレスなんですけど」

不安そうに腹の前で両手を組んでいる七瀬だが、彼女の手をそっと掴んだ杏寿郎の表情はと言うと。


「杏寿郎さん? え……どうしたんですか」
「いや……母上の見立ては確かだなと…脱帽していた」

いつも堂々とはっきりと物を言う杏寿郎が、珍しく両頬をほんのりと赤く染めている。

「いつもかわいらしい君だが、このような姿も良いな。しかし出来れば今の七瀬は俺だけが独占していたい気持ちもある」

「杏寿郎さん……」
「よく似合っている」

「ふふ、嬉しいです、ありがとうございます。杏寿郎さんの衣装も選びに行きましょうよ」
「そうだな! だがその前に……」


七瀬の唇に小さいが、あたたかなキスが一つ降った。

/ 938ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp