恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥
「また着たいなあ」
「………!」
『あれ? 何かおかしな事言ったっけ?』
はっと右手で口を塞ぐ七瀬の顔がぽぽっと朱に染まる。
耳、頭部と恥ずかしさの波は範囲を伸ばし、とても義勇を見れない彼女。
「次回は……白いドレスなのだろうか」
「…白い着物かも?」
「そうか、俺はどちらでも構わない。きっとお前に……似合うだろう」
「ふふ、ありがとう!」
笑顔を見せる七瀬に義勇は一つキスを贈る。角度を変えながら、肩から腕。脇から腰までを撫でつつ、肩ストラップが外された下着をそっと取り払った。
「お前の体はいつも綺麗だが、今日はより一層だな」
「うん、実はこの日の為にエステに通いました。プチ脱毛も少ししちゃった」
「何と……そうなのか」
七瀬は美意識が低いわけではないが、エステや脱毛とは無縁の生活であった。唯一まつ毛パーマを定期的にしているぐらいで、メイクもヘアスタイルも決して華美な物を好むわけでもない。
「脱毛は人によっては刺激が強いと聞いた事があるが……」
「私はそのタイプだった。でもドレスが着てみたかったし、義勇さんに綺麗だって言って貰いたかったから……ちょっと頑張った」
「そうか」
「うん」
ぎゅうっと抱きしめられる七瀬の体は、義勇の腕の中に覆われるように包まれた。互いに少しだけ温まった体温が混じると、それか心地よい物に変化する。
それから二人はじっくりとキスを交わしながら、またお互いの体温を上昇させていった。赤い鬱血痕が七瀬の体に複数刻まれると、義勇の体にも同様の物が増えていく。
「義勇さんは色が白いから、すぐ目立っちゃうね」
「それはお前もだろう」
言葉を交わしながら、互いの赤く咲いた小さな花に口付ける二人だ。