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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第62章 Halloween masquerade / 🌊・🔥



「社交ダンスと言うと真っ先に思い浮かぶのはワルツだが…」

「私もだよ」


今度はワルツのステップを検索し、一番最初に出て来た動画を共に視聴する二人。画面には男女がステップをしている風景が映っている。

「観るだけだと簡単に見えるんだけど……」

「そうだな、しかしホールドの姿勢もなかなか難易度が高かった。繰り返しやってみるしかない。七瀬、いいか?」

「うん、やってみよう」


ナチュラルターン、クローズドチェンジ、リバースターン、クローズドチェンジ。この四つは初心者向けのルーティンである。
義勇は頭でイメージ出来ていても、実際の動きになかなかついていけない。

「義勇さん、私何となく掴めた気がする」

「そうか、やはりお前はダンスに向いているのかもしれないな。本来は俺がリードしなければいけないのだが……」

「大丈夫だよ、前の時も出来るようになったじゃない」


以前義勇は同僚の国語教師がカナエと結婚した際、余興で「Dynamite」と言うダンスボーカルグループの曲を数人の教師達と踊った事がある。

その時もこのグループのダンスを七瀬に指導してもらったのだ。


「私、ちょっと動画確認したいな。義勇さんは?」

「俺もちょうど考えていた所だ。喉も乾いたからティーブレイクするか?」

「うん」

額に浮かんだ汗を手の甲で拭った七瀬は、電子ケトルが置いてある棚にゆっくりと向かおうとするが ——

「ドレスだと歩きにくいだろう。今回は俺がやる。紅茶で良いか?」

「あ、ありがとう」

やんわりと七瀬の右腕をつかんだ義勇は、彼女をソファーにそっと座らせたのち、二人分の飲み物を用意しに向かった。


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