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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第61章 注意せよ、その風に 〜He is gale〜 / 🍃





「風柱様とご一緒に料理が出来るとは…私は本当に幸せですよ」

「お前は大袈裟だなァ、たかだか肉と野菜を切ってるだけだろうがァ」


七瀬は帰宅して数分すると、吐き気もおさまり顔色も良くなった。回復した途端に”カツ丼が食べたい” と申し出た為、吹き出した実弥と長友が共に昼食を作る事になったのだ。


「カツは私が揚げますので、風柱様は沢渡さんと一緒にお待ち下さい」

「何だァ、もう良いのかァ?」

「ええ! ここからは私の仕事ですから…」


長友に促され、厨(くりや=台所)を後にした実弥は、七瀬の様子を見に彼女の私室へと向かう。


「俺だァ、調子はどうだ?」

「あ、師範! 申し訳ありません……来て頂いて。今出ますね」

「おゥ」


パタパタと小走りで進む七瀬の音が近づいたと思った矢先、実弥の目の前の襖がスッと開いた。顔色がいつも通りの彼女だと言う事を確認した彼は厨に行くと言い、二人で長友のいる場所へと向かう。


「あっ、揚げ物の匂いだあ。長友さんのカツはきっと美味しいんでしょうね」

「カツも美味ェが、あいつは甘味作りの方が好きみたいだぜ。本人が甘党ってのもあるが、恋仲の女が甘味好きらしい。だからよく作るんだとよ」

「そうなんですね〜! でも甘味作りが好きなのは、師範がおはぎ好きだからって言うのもあると思いますよ。何て言っても長友さんは師範が大好きですからね」


「本当に変わった野郎だぜ」


そんな事を言う実弥だが、これは勿論照れ隠しだ。




「いただきます!」

居間に移動した七瀬と実弥は、座卓に向かい合って座っている。風柱邸では実弥の方針で隠である長友も共に食卓を囲むのだが、今回の昼食は別室で食べると言い出した為に二人きりである。


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