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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第61章 注意せよ、その風に 〜He is gale〜 / 🍃



それから更に一週間後、今日は実弥の非番日だ。


「あァ? 活動写真(=映画)に行けなくなっただァ??」

「はい…私の恋人がこの内容の物はちょっと……と言い出しまして。剣技の話なのですが、流血の場面が思いの他多かったようでして」

「何だよ、そりゃァ」

「今日までしか使用出来ない券なのです。お代の事は気にされなくて構いません。無駄にするのも勿体無いので、ぜひ沢渡さんと行かれて来てくださいませ」

「何で俺とアイツが行かなきゃなんねェんだよ」


非番の日らしく、着流し姿の風柱に申し訳なさそうに声をかけた長友。彼に恋人がいると言うのは本当だが、これは隠の策である。

互いに好感を抱いている二人を更に接近させよう。そんな考えから来ている物だ。


「ぜひ現役の剣士である風柱様から見て、この活動写真の仕上がりと言いますか。それを判断して頂きたいなあと。沢渡さんも普段鬼殺で血は見慣れていると思います故、支障はないかと」

“細やかですが、休暇を頂いたお礼です”


長友のこの言葉は事実だ。
普段多忙な実弥を労いたいと言う気持ちもある。実弥は隠の気遣いを無碍にするのも悪いなと感じ、しぶしぶ了承したのだ。


『お節介は重々承知! 鬼殺の任務は心身ともに疲弊をしてしまいます。風柱様には少しでも穏やかな日々を送って頂きたい』


風柱邸専属隠・長友穂希。彼は本当に実弥が大好きなのだ。
これにもちろん慌てふためいたのは継子の七瀬である。


「えっ?? 私が師範と活動写真ですか??」

「はい、そうです」

次に隠は七瀬の部屋を訪ね、先程実弥に伝えた事とほぼ同じ内容を伝えていく。

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