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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第61章 注意せよ、その風に 〜He is gale〜 / 🍃



不死川実弥、二十一歳。階級は甲(きのえ)で風柱。使用呼吸は風。

沢渡七瀬、十八歳。階級は丙(ひのえ)で使用呼吸は風。

二人の出会いは二ヶ月前の合同任務だ。七瀬はこの日、主に後方支援を担当していた。
仲間の隊士を統率しながら、風の柱は勇猛果敢に悪鬼達と堂々と戦っていく。

使用呼吸が自分と同じ物だと言う事も、彼女が実弥に興味を持つ一つのきっかけになった。


『見た目は大分怖いけど、凄く洗練された呼吸だな…私も同じ呼吸を使ってるのになあ』


憧れと羨望が同時に胸中に思い浮かぶ七瀬は、この瞬間実弥を好きになる。憎き悪鬼を殲滅する為には情け容赦なし。

芯がブレない姿勢も、彼に惹かれた要因の一つであった。
そして、いまいち鬼に対して非情になれない自分の心。実弥の元で鍛錬する事により、内面も強くなれるのでは ———。


このように考えた彼女は、厳しい風柱にダメ元で継子申請をした所、あっさりと許可がおり、拍子抜けをした。

実は風柱邸専属の隠である長友が足を負傷し、しばらく療養する事になったと言う、やむにやまれぬ事情があった為だ。


隠は主である実弥の事をとても尊敬しており、日頃から誠心誠意尽くしている。それ故、自分の怪我により実弥の身辺周りが不便になる事を懸念していた。

実弥は長友に「料理も出来ねェ事はねェし、お前が来るまでも自分の事はどうにかやってた。丁度よく継子志願者も来た。体を回復させる事が今のお前には一番大事だァ」と言って、自身の治療に専念するよう言葉をかけた。


やって来た継子志願者は、幸いにも料理が一通り出来、剣の腕も別段これと言って問題もない……むしろかなりの腕前。
実弥は珍しく感心していた。



—— 鍛錬が大嫌いでしょっちゅう彼の稽古から逃げ出す以外は。

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