恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)
第17章 令和になってもやっぱり寡黙 / 🌊
鬼が完全に塵になったのを確認した私はカナヲと善逸の元に急いだ。
煉獄先生の”そんなに強くない”発言は柱からみた感想なんだな、とつくづく思った。
私、カナヲ、そして善逸が対峙している鬼は何と……元下弦の鬼。
いくら元だからと言って、数字がないその他の鬼とはやっぱり強さが違う………!
「水の呼吸 ——-うわっ!!」
鬼の鉤爪が私の右腕をかする。
いった………! 止血しないと……。グッ……と体全体に力を入れる。
「花の呼吸 弐ノ型」
「御影梅」
カナヲが自分を軸にした無数の斬撃を鬼に浴びせる。グワァ……と元下弦は一度膝をつくが、すぐに傷口を塞いでまた立ち上がる。
善逸……!気絶して倒れている彼めがけて鬼が突進していく。
『お願い!早く起きあがって!!』
すると私の願いが通じたのか。
バチッ……と青い光を身に纏い、ゆっくりと立った彼は前傾の姿勢になった。
雷の呼吸特有の呼吸音。次の瞬間 ——
「雷の呼吸 —— 壱ノ型 霹靂一閃」
青い稲光が鬼の頸を一刀両断する。そしてズゥン……と鬼の大きな体が倒れた。
頸は斬れたけど…おかしいな。塵にならない。