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恋はどこからやって来る?/ 鬼滅の刃(短編・中編)

第60章 feliz cumpleaños / 🎴・🌫️ ✳︎✳︎



「あ、これ拭くよ。ベタベタして気持ち悪いよな。ごめん」

「ううん、謝らなくて大丈夫」

文机に置いてあったちり紙で、彼女の腹部にたくさん付着している自分の白い欲を丁寧に拭き取っていく。


「終わったよ」

「ありがとう」


ちり紙をくずかごに捨てた俺は、七瀬の横にゴロンと横になった。額に手の甲を当てるとまた汗がそこに付着する。

ふうーと深い息を吐く。
高揚感で気持ちがまだふわふわしているけど、体の熱は幾分か落ち着いた。


「善逸には言えないなー」

「え? なにそれ」

先に大人の階段登りやがって、ずりいぞー!! 俺はまだ禰󠄀豆子ちゃんと手も繋げてないのに!

あいつが言いそうな事をそのまま伝えると、カラカラと笑う七瀬だ。


「ふふ、確かに言いそうだね。でも善逸はさ、耳が良いから炭治郎の鼓動でわかっちゃうんじゃない? 」

「あー……、そうだったな。じゃあ俺どのみち、あいつに文句言われるんだ」

「そうだねぇ」


七瀬がまたふふっと笑うと、急に体を震わせた。
あっ、裸じゃあ体冷えるよな……。

湯浴みの提案をしてみると、さっぱりしたいから行く! との返答だった為、寝衣を着用して再び浴室へと二人で向かった。













チュンチュン、チチチ……
雀達がさえずる鳴き声と東側の障子から差し込む朝の光で目を覚ました俺は、ゆっくりと体を起こす。

右半身にじわっと感じるあたたかみは、昨日思いを繋げて恋仲になった俺の大事な人だ。

一つ歳上の彼女の寝顔は、実年齢より大分幼い印象を受ける。

『俺も童顔って言われるけど、七瀬もそうだよなあ』

卵のようにつるんと滑らかな肌は、朝見ると特に際立つ。
少し丸みを帯びる顔の輪郭をなぞるように掌で包むと、むにゃむにゃと口を動かす彼女だ。


「……ろう、もっと……」

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